2月の「大人の遠足-街旅絵日記講座」は大阪の大正区。大正区は昭和にできた。明治以降、尻無川、木津川など区を囲む川に大きな船が出入りし、綿、鉄鋼、造船など重工業の工場や木材の貯木場があったところ。尻無川沿いのディープな風景を描く。このバラックはリノベーションされて、パンクでスリリングなバーに。看板代わりのドラム缶の上の機械部品のアッサンブラージュでつくられたバイクのオブジェがすばらしい。営業は日没からで、店の裏の川岸にはボートがあり、クルージングもできるらしい。
2015/12/29
YASUDA YASUYUKI
水彩画スケッチ紀行
住友家15代吉左衛門友純の寄付と野口孫市・日高胖の設計で1904年に開館した。日本を代表する図書館建築として国の重要文化財にも指定されている。110余年が経ち、このほど終わったリニューアル工事で少し明るくなった。正面玄関も常時開かれているようになった。確か以前は、入館時にかばんや荷物を預け、記名し、靴を脱いでスリッパに履き替えて入れてもらったような…。それに較べればずいぶん開放的になって、親しみやすくなった。リニューアル工事とともに設けられた多目的スペース(昔の閲覧室)で、個展を開いてもらっている。2日がかりで3室の設営をし、「安田泰幸水彩スケッチ展−中之島からはじまる街物語」が4月1日からはじまった。2016/04/03記
■大阪府立中之島図書館オリジナルポストカード
■大阪府立中之島図書館オリジナルステーショナリーに使用。便箋・封筒・一筆箋・クリアファイル
藤井厚二作
電熱器と茶釜
大阪寝屋川 八木邸
2015年
水彩
120x165o
大山崎にある聴竹居を設計した藤井厚二が大阪の実業家・八木家の求めに応じて、設計・意匠した家が寝屋川の香里園に残っている。1930年に設計された注文住宅と、同じく藤井によって意匠された家具が、改造・改築などの手を加えられることなく、85年たったいまも、当初のまま残っている。一般公開に向け準備中にそれらをスケッチさせてもらう機会があり、1月の末、2回目の訪問。この日はおもに室内の調度や家具をスケッチ。この電熱器と茶釜は茶と作陶を嗜んだ藤井らしい品のあるデザイン。茶釜は金属と陶器があり、入れ替えられる。愛嬌のある鼠の顔の把手がほほえましい。
2015/12/04記
Daimaru-Shinsaibashi,
Departmentstore,
Osaka
大丸心斎橋店
大阪
2001年
アクリル+パステル+コラージュ
400x550o
2015年1月のカルチャーハウス香里ヶ丘のYYスケッチ講座土曜クラスは、W.M.ヴォーリズが設計した名建築大丸心斎橋店を描いた。人通りが多く、ちょっと勇気がいる場所。気温も低く、風もあり、冬のスケッチは大変。来年建て替えられることが決まっている現在の建物は、1933年に完成した。ネオ・ゴシック様式にアールデコの装飾をちりばめた美しい建築。外観や内部の一部を残すといわれているが、パリのオー・プランタンやロンドンのハロッズのように、伝統と文化の象徴として街にたち続けることはないらしい。大阪からまた一つ、品格が消えていく。掲げた絵は2001年に描いたもの。
2015/12/02記
ええやん大阪 09
Bishamondo
Naniwaji(temple)、Ebisucho、Osaka
毘沙門堂浪速寺
大阪恵比須町
2014年
水彩
120x165mm
関西経済連合会発行の広報誌「経済人」2015年1月号の表紙は、大阪の「戎橋から恵美須町」界隈の風景。
今宮戎神社の参詣道にある浪速寺。毘沙門天王を祀る。十日戎の3日間ここにも多くの参拝者が訪れる。摂津國八十八箇所霊場の26番目。
2015/11/08記
■関西経済連合会発行
「経済人」2015年1月号表紙に掲載
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2月の「大人の遠足-街旅絵日記講座」は大阪の大正区、尻無川沿いのディープな風景を描きに行った。環状線の鉄橋のたもとから川沿いに続く道は町工場や倉庫がアンダーグラウンドなカフェやバーにリノベーションされて、妖しさが漂うファッショナブルな街並み。講座参加者にお渡しする「見せていただきましたシール」は梅にうぐいす。尻無川にうぐいすというのもなんだが、まあ2月ということで。
2015/12/24記
2月の「大人の遠足-街旅絵日記講座」は大阪の大正区、尻無川沿いのディープな風景を描きに行った。このあたりはかつて機帆船が頻繁に川を上下していた。今は行き交う船も少なく、川岸のあちこちに昔の姿を残すのみ。敗戦で焼け野原になった大阪の町に、人々の生活が戻り、家を建てなければならなかった頃、淡路島から大量の瓦が船で運ばれ、このあたりで荷揚げされて、あちこちに捌いていた問屋のバラック建ての店蒹倉庫が並ぶ一画。川風が身に沁みる。 2015/12/21記
八木邸
大阪寝屋川
2015年
水彩
165x240o
エコロジーに配慮した先駆的な木造住宅「聴竹居」と同じ藤井厚二の設計で昭和の初めに建てられた香里園の八木邸が春に公開されることになり、2月の初め、近隣の住民にお披露目された、それに合わせ3回目の訪問。見学に訪れた方たちと一緒に、各部屋の説明を聞き、合い間に、寒かったが天気がよかったので、正面から外観も描いた。
2015/12/05記
Kyo-kaido、Hirakata-juku、
Hirakata、Osaka pr.
京街道
枚方宿西見附付近
枚方市桜町 大阪 2015年
水彩
280x380mm
1月のカルチャーハウス香里ヶ丘のYYスケッチ講座月曜クラスは、京阪枚方公園駅近くの京街道枚方宿の西のはずれ。古い町並みのたたずまいがかろうじて残っている。寒かったがよく晴れていて、陽だまりは気持ちよい。枚方は東海道五十七次の江戸日本橋から56番目の宿場。秀吉が諸大名に築かせた淀川の文禄堤を利用した街道。2階に手摺をつけた宿屋風の家や、看板を下げる小屋根と格子の商家などが、安直なマンション風の建物に挟まれて窮屈そうに入口を閉ざしている。
2015/11/10記