YASUDA YASUYUKI
水彩画スケッチ紀行
Daimaru-Shinsaibashi,
Departmentstore,
Osaka
大丸心斎橋店
大阪
2001年
アクリル+パステル+コラージュ
400x550o
2015年1月のカルチャーハウス香里ヶ丘のYYスケッチ講座土曜クラスは、W.M.ヴォーリズが設計した名建築大丸心斎橋店を描いた。人通りが多く、ちょっと勇気がいる場所。気温も低く、風もあり、冬のスケッチは大変。来年建て替えられることが決まっている現在の建物は、1933年に完成した。ネオ・ゴシック様式にアールデコの装飾をちりばめた美しい建築。外観や内部の一部を残すといわれているが、パリのオー・プランタンやロンドンのハロッズのように、伝統と文化の象徴として街にたち続けることはないらしい。大阪からまた一つ、品格が消えていく。掲げた絵は2001年に描いたもの。
2015/12/02記
Shinko-Boeki-Kaikan, Kobe
神戸 新港貿易会館
2014年
水彩
165x240mm
朝日カルチャーセンターYY絵はがき講座の1月は神戸港税関前。この一画にはいくつかの歴史的建造物がたっているが、参加者の希望で新港貿易会館を描くことにした。1930年の竣工。当時新港周辺にあった港湾関係の事務所を集約するための建物だったという。現在も使われていて、舶来インテリアの会社やデザインスタジオなど高感度な事務所が入居している。国の登録有形文化財。寒さの緩んだ日中、アーが意外に難しい建物スケッチに挑む。
2015/11/20記
Restaurant
"Tokasaikan",
Kyoto
東華菜館 京都
水彩
2014年
165x120 mm
関西経済連合会発行「経済人」12月号表紙「スケッチ紀行-歴史を歩く」は、京都四条河原町界隈。
異彩を放つ洋館のレストラン、「北京料理・東華菜館」。もとは大正末期にヴォーリズの設計で建てられた西洋料理の「矢尾政レストラン」だった。入口の食材の彫刻など過多ともいえる装飾。鴨川・四条大橋のたもとで異彩を放つ。
国の登録有形文化財
2015/08/24記
■関西経済連合会発行「経済人」2014年12月号に掲載
Kinkaden, kyoto Women's University
京都女子大学
錦華殿
2014年
水彩
240x330mm
カルチャーハウス香里ヶ丘YYスケッチ講座土曜クラスの昨年10月は、京都女子大学の錦華殿へ。京阪七条駅から東山に向かって、京女坂と呼ばれる坂を登る。学舎と道をはさんで真新しい洋館が建っている。大学の案内文書によると、1980年代に老朽化のため解体されたが、「建学の精神のよりどころ」として必要と、2000年に再建された。やっぱり便利さや合理的なものだけではだめなのかも。この建物は明治時代、西本願寺門主大谷光瑞と、大正天皇の皇后の姉籌子(かずこ)との新居として建てられた。大谷光瑞は大谷探検隊や神戸岡本に珍奇壮大な別荘二楽荘を建てた人物。この新居で籌子は大谷光瑞の妹九条武子と京都女子大の前身となる女子の高等教育の学校設立のために活動をはじめたという。ちなみに九条武子は大正三美人のひとり。何やらややこしいが、おもしろそうな話。
2015/05/25記
近代名建築物語 09 .
旧池長孟邸
紅塵荘
神戸
2010年
水彩
120x165o
2015年2月の初め、「紅塵荘」の解体が始まったと聞いて、最後、一目見ておこうと現地へ行った。池長孟は神戸にかつてあった南蛮美術館の生みの親で、南蛮美術の収集家であった。紅塵荘は1928年、彼が新居として建てた、当時破格の豪邸。結婚の相手は後妻であったが、当時モガとして神戸で名を馳せた富子。淀川長治の姉である。上階には富子の希望でダンスホールまでつくられたという。設計は南蛮美術館と同じ小川一郎。戦後、病院として使われていた。
写真とスケッチは2010年のもの。
2015/12/01記
住友家15代吉左衛門友純の寄付と野口孫市・日高胖の設計で1904年に開館した。日本を代表する図書館建築として国の重要文化財にも指定されている。110余年が経ち、このほど終わったリニューアル工事で少し明るくなった。正面玄関も常時開かれているようになった。確か以前は、入館時にかばんや荷物を預け、記名し、靴を脱いでスリッパに履き替えて入れてもらったような…。それに較べればずいぶん開放的になって、親しみやすくなった。リニューアル工事とともに設けられた多目的スペース(昔の閲覧室)で、個展を開いてもらっている。2日がかりで3室の設営をし、「安田泰幸水彩スケッチ展−中之島からはじまる街物語」が4月1日からはじまった。2016/04/03記
■大阪府立中之島図書館オリジナルポストカード
■大阪府立中之島図書館オリジナルステーショナリーに使用。便箋・封筒・一筆箋・クリアファイル
3月の朝日カルチャーセンターYY街旅スケッチ講座は神戸の旧外国人居留地。重要文化財の15番館と神戸市立博物館の間、浪花町筋で描くことにした。15番館の向うに見えるのはアールデコの屋上塔屋が印象的な神港ビル。折しも博物館では「チューリッヒ美術館展」の会期中、<巨匠いっき見>の看板の下で描く。風は冷たいが、葉を落した樹には、淡橙色の新芽の蕾がいっぱい。もうすぐ春。
2016/01/04記
James-tei、
Kobe Shioya
ジェームズ邸
神戸塩屋
2012年 水彩 120x165mm
パナソニックの2014年卓上カレンダー「松下幸之助の言葉」12月は神戸塩屋ジェームス山に残る旧ジェームスの邸宅。貿易商だった彼は風光明媚な塩屋の小高い山に50数棟もの外国人用の貸邸宅を建てた。戦争中は邸宅を没収され、やむなく日本を離れたが、戦後、あらためて来日、当時日本には例のなかった快適さを求めた住宅地つくりに勤しんだ。
2015/10/10記
■パナソニック2014年卓上カレンダー
「松下幸之助の言葉-希望」12月に
掲載
St Agnes' Episcopal Church, Karasuma-shimotachiuri, Kyoto pr.
聖アグネス教会
京都烏丸下立売
2014年
水彩
280x380mm
11月の朝日カルチャーセンターYY街旅スケッチ講座は、京都烏丸通り、御所の西にある旧有栖川宮邸の壁に沿って聖アグネス教会をスケッチ。1898年に平安平安女学院のチャペル、聖三一大聖堂として、ジェームス・ガーディナーの設計で完成した。
ジェームス・ガーディナーは立教の初代校長でもある。
2015/07/20記
Kodera-tei Kyusha
(Barn,Garage)、Kobe
旧小寺邸厩舎
神戸相楽園
2007年
水彩
120X165mm
Panasonicの2014年卓上カレンダー「松下幸之助の言葉-希望」の10月は”順境は尊い 逆境もまた尊い」という言葉。順境に自惚れず、逆境に卑屈にならず、それぞれに与えられた尊い人生を素直に、謙虚に、懸命に生きてゆきたいと…。合わせたスケッチは小寺邸厩舎。スケッチに描いた旧小寺邸厩舎が残る神戸の相楽園は、明治維新の混乱で困窮する三田藩を建て直すため、藩主らと神戸で事業を興し、実業家として成功した藩士小寺泰次郎が築いたもの。
建物は、1910年頃、海岸ビルなどを手がけたことでも知られる河合浩蔵の設計で、彼が建築を学んだドイツの民家の雰囲気を採り入れている。国の重要文化財。
2015/05/08記
■パナソニック2014年卓上カレンダー
「松下幸之助の言葉-希望」10月に
掲載
Copyright (C) Yasuda Yasuyuki YY-STUDIO All Right Reserved
水彩画スケッチ紀行TOP
八木邸
大阪寝屋川
2015年
水彩
165x240o
エコロジーに配慮した先駆的な木造住宅「聴竹居」と同じ藤井厚二の設計で昭和の初めに建てられた香里園の八木邸が春に公開されることになり、2月の初め、近隣の住民にお披露目された、それに合わせ3回目の訪問。見学に訪れた方たちと一緒に、各部屋の説明を聞き、合い間に、寒かったが天気がよかったので、正面から外観も描いた。
2015/12/05記