YASUDA YASUYUKI
水彩画スケッチ紀行
3月の朝日カルチャーセンターYY街旅スケッチ講座は神戸の旧外国人居留地。重要文化財の15番館と神戸市立博物館の間、浪花町筋で描くことにした。15番館の向うに見えるのはアールデコの屋上塔屋が印象的な神港ビル。折しも博物館では「チューリッヒ美術館展」の会期中、<巨匠いっき見>の看板の下で描く。風は冷たいが、葉を落した樹には、淡橙色の新芽の蕾がいっぱい。もうすぐ春。
2016/01/04記
神戸街ものがたり 07
旧池長孟邸
紅塵荘
神戸
2010年
水彩
120x165o
2015年2月の初め、「紅塵荘」の解体が始まったと聞いて、最後、一目見ておこうと現地へ行った。池長孟は神戸にかつてあった南蛮美術館の生みの親で、南蛮美術の収集家であった。紅塵荘は1928年、彼が新居として建てた、当時破格の豪邸。結婚の相手は後妻であったが、当時モガとして神戸で名を馳せた富子。淀川長治の姉である。上階には富子の希望でダンスホールまでつくられたという。設計は南蛮美術館と同じ小川一郎。戦後、病院として使われていた。
写真とスケッチは2010年のもの。
2015/12/01記
ピッツェリア
モンドール
2014年
水彩
120x165mm
2014年12月、神戸文化センターのYY街角スケッチの講座は神戸の北野で実施したが、講座終了後、受講者の方たちとささやかなクリスマス会をした。場所は北野のピッツェリア・モンドール。丁寧につくられたおいしい料理で、1年間のスケッチ講座の思い出話や、めいめいが持ち寄ったプレゼントの交換などで楽しんだ。
これより少し前に、この店に寄せてもらったとき描いたスケッチ2点のプリントをお店に差し上げたら、後日、店内に飾ってくださった。
2015/10/16記
帆船「みらいへ」
2014年
水彩
226x155mm
朝日カルチャーセンター絵はがき講座の12月は、神戸の旧外国人居留地の枯木立ちの街並みを描く予定だったが、当日は天気予報で4℃とか。いくらなんでもこの気温で外で2時間ものスケッチはきついので、急遽、屋内から描けるところへ移動。しかし、受講されているみなさんは外で描くつもりで重装備の防寒着のいで立ち。根性に頭が下がる。ガラス越しに神戸港クルーズの岸壁を描く。ちょうど、大阪市が一昨年競売にかけた帆船が停泊していた。
講評会は受講者の方の提案で、上等の紅茶とケーキで忘年茶話会。
2015/10/16記
James-tei、
Kobe Shioya
ジェームズ邸
神戸塩屋
2012年 水彩 120x165mm
パナソニックの2014年卓上カレンダー「松下幸之助の言葉」12月は神戸塩屋ジェームス山に残る旧ジェームスの邸宅。貿易商だった彼は風光明媚な塩屋の小高い山に50数棟もの外国人用の貸邸宅を建てた。戦争中は邸宅を没収され、やむなく日本を離れたが、戦後、あらためて来日、当時日本には例のなかった快適さを求めた住宅地つくりに勤しんだ。
2015/10/10記
■パナソニック2014年卓上カレンダー
「松下幸之助の言葉-希望」12月に
掲載
Kobe Baptist Church, Yamamoto st.Kitano,Kobe
神戸バプティスト教
北野山本通
水彩
2014年
280x380mm
神戸新聞文化センターYY街角スケッチ講座の昨年12月は、寒空の下、北野の山本通にある神戸バプティスト教会を描いた。
このあたりは、神戸が真珠の貿易で活況を呈していた頃から、真珠を扱う会社や工房があちこちにある界隈。街のたたずまいもどこか垢抜けている。この教会は、戦後、クリスチャンだった小磯良平の旧邸跡に建てられたもの。
2015/09/26記
Shinko-Boeki-Kaikan, Kobe
神戸 新港貿易会館
2014年
水彩
165x240mm
朝日カルチャーセンターYY絵はがき講座の1月は神戸港税関前。この一画にはいくつかの歴史的建造物がたっているが、参加者の希望で新港貿易会館を描くことにした。1930年の竣工。当時新港周辺にあった港湾関係の事務所を集約するための建物だったという。現在も使われていて、舶来インテリアの会社やデザインスタジオなど高感度な事務所が入居している。国の登録有形文化財。寒さの緩んだ日中、アーが意外に難しい建物スケッチに挑む。
2015/11/20記
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Kodera-tei Kyusha
(Barn,Garage)、Kobe
旧小寺邸厩舎
神戸相楽園
2007年
水彩
120X165mm
Panasonicの2014年卓上カレンダー「松下幸之助の言葉-希望」の10月は”順境は尊い 逆境もまた尊い」という言葉。順境に自惚れず、逆境に卑屈にならず、それぞれに与えられた尊い人生を素直に、謙虚に、懸命に生きてゆきたいと…。合わせたスケッチは小寺邸厩舎。スケッチに描いた旧小寺邸厩舎が残る神戸の相楽園は、明治維新の混乱で困窮する三田藩を建て直すため、藩主らと神戸で事業を興し、実業家として成功した藩士小寺泰次郎が築いたもの。
建物は、1910年頃、海岸ビルなどを手がけたことでも知られる河合浩蔵の設計で、彼が建築を学んだドイツの民家の雰囲気を採り入れている。国の重要文化財。
2015/05/08記
■パナソニック2014年卓上カレンダー
「松下幸之助の言葉-希望」10月に
掲載