YASUDA YASUYUKI
関西経済連合会発行の広報誌「経済人」2015年3月号の表紙「スケッチ紀行-歴史を歩く」は、和歌山県の有田市を歩いたスケッチで構成した。
天平時代、聖武天皇の朝臣右大臣藤原豊成の娘、中将姫は美貌と才能の名声を継母にねたまれ、この地糸我の雲雀山に捨てられたが、姫の徳にうたれた従臣伊藤春時は、剃髪して得生と名を改め姫をかくまい養育し、姫は浄土経一千巻を写した。その草庵が寺の始まりとか。この伝説は、能、歌舞伎、浄瑠璃でも演じられる。中将姫の練供養は当麻寺が有名だが、この寺の来迎会式(二十五菩薩練供養会)は小さな子どもが晴れ着を着、菩薩の面をかぶって境内を歩く姿が可愛らしく、無形文化財にもなっている。
2016/01/13記
■関西経済連合会広報誌「経済人」 2015年3月号表紙に掲載
水彩画スケッチ紀行
朽木
秀隣寺庭園
興聖寺
水彩
120x165o
関西経済連合会発行の広報誌「経済人」2014年7月号の「スケッチ紀行-歴史を歩く」は、鯖街道の宿場町朽木。
曹洞宗の興聖寺にある国の名勝。室町時代の末期、難を逃れて旧秀隣寺に滞在した12代将軍足利義晴をなぐさめるために造られたという。
2015/01/10記
■関西経済連合会刊「経済人」
2014年7月号表紙に掲載
072
朽木
邇々杵神社多宝塔
2014年
水彩
165x120o
関西経済連合会発行の広報誌「経済人」2014年7月号の「スケッチ紀行-歴史を歩く」は、鯖街道の宿場町朽木。
ににぎじんじゃと読む。平安時代から続く古社で、神仏習合の時代に天台宗の神宮寺があったといい、今も多宝塔が残っている。均整のとれたシルエットが静寂の緑に美しく映る。
2015/01/07記
■関西経済連合会刊「経済人」
2014年7月号表紙に掲載
071
古寺巡礼 05
関西経済連合会発行の広報誌「経済人」2015年2月号は奈良の五條市のスケッチ。
榮山寺は奈良時代8世紀に藤原武智麻呂が創建したという古刹。寺は門らしき門もなく、拝観料を払うため無人の小屋の呼び鈴を鳴らす。おおらかな山寺の風情に気分も晴れる。国宝の八角円堂は均整のとれた美しいフォルム。凛とした冷気につつまれ、時折鳥の鳴き声が聞こえるだけの静けさの中でのスケッチ。
2015/12/14記
■関西経済連合会広報誌「経済新」2015年2月号表紙に掲載
Masuisan Zuiganji Temple, Himeji
増位山随願寺経堂 姫路
2014年
水彩
120x165mm
関西経済連合会発行広報誌「経済人」11月号の「スケッチ紀行-歴史を歩く」は姫路の北部。標高はそんなに高くないが、けっこう鬱蒼とした山の中にある。境内は広いが寺域を示すような塀などはない。平安時代には三十を越える坊があったという大寺。戦国時代に別所長治に攻められ全山が焼失、羽柴秀吉が再興したという。現在残る本堂、開山堂、経堂、鐘楼は形が整いしっかりした印象。江戸時代に建てられたもので、国の重要文化財。こんな美しく立派なものが山の中にひっそり隠れ、現代人が目もくれないのはもったいない。
2015/06/09記
■関西経済連合会発行「経済人」
2014年11月号表紙に掲載
Daikodo,Zikido,Jogyodo,
Shoshazan-Engyoji Temple, Himeji
書寫山圓教寺
常行堂、食堂、
大講堂,
姫路
2014年
水彩
120x165mm
関西経済連合会発行広報誌「経済人」11月号の「スケッチ紀行-歴史を歩く」は姫路の北部。書寫山圓教寺の摩尼殿をみて奥に進むと、本堂にあたる大講堂と、食堂、常行堂の3棟の壮大な建物に囲まれた空間に出る。スケッチブックの画面やカメラのフレームに入りきらないほど目の前に迫る堂の量感は圧巻で、トム・クルーズの「ラストサムライ」や大河ドラマの「官兵衛」など大作映画のロケに使われたのもうなずける。三之堂ともよばれ、3棟とも貴重な歴史的建造物で重要文化財に指定されている。
2015/06/01記
■関西経済連合会発行「経済人」
2014年11月号表紙に掲載
Maniden, Shoshazan-Engyoji Temple, Himeji
書寫山圓教寺
摩尼殿 姫路
2014年
水彩
165x240mm
関西経済連合会発行広報誌「経済人」11月号の「スケッチ紀行-歴史を歩く」は姫路の北部。書寫山圓教寺は比叡山、大山とならぶ天台宗の三大道場で、創建は平安時代、性空上人。古くから皇族も参詣した巨刹。西国三十三ヶ所霊場の中で最大で最も西に位置する。そんなに高くはないが険しい山の上にあり、山上からは播磨平野・姫路市内が一望できる。別所と毛利の軍にはさまれた豊臣秀吉が黒田官兵衛の進言により陣を構え、窮地を脱したところでもある。ケーブルカーを降り、登り坂の参道を進み、仁王門をくぐる。なおも東谷と呼ばれる山道を進むと、中谷の壮大な摩尼殿に出る。摩尼殿は崖に柱を組んで建てられた縣崖造りで、見るものを圧倒する。旧堂が大正時代に焼失した後、昭和の初めに武田五一の設計で再建された。国登録有形文化財。
2015/05/29記
■関西経済連合会発行「経済人」
2014年11月号表紙に掲載
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