舞鶴煉瓦倉庫群 
雪舞う 
         


水彩スケッチ  
2010年  
165x240mm 


今年のルミナリエは例年ほど寒くないなとおもっていたら、昨日あたりから神戸でも冷え込んできた。北の町ではどうなのだろう。日立造船の2011年のカレンダーで11-12月の絵柄に、日立造船の工場がある舞鶴の町を描いた。古くから港湾都市として栄えた町は、海軍の拠点ともなり、多くの施設が残っている。特に20世紀の初めに建てられた北吸地区の煉瓦倉庫群は、12棟のうちの8棟が重要文化財に指定され、記念館や博物館として利用されているものもある。クレーンが見える港に隣接した倉庫に降り出した雪が舞う。 
2011/12/9記      

■日立造船2011年カレンダーに
 掲載
                    
大阪市中央公会堂 大阪中之島          


水彩  
165x240o


全国的に雪模様のきのうきょう、めずらしく神戸でも霰が降った。近畿地区信用金庫協会発行の季刊誌「いこい」の2011年冬号表紙には、大阪中之島の中央公会堂に雪が降るようすを描いた作品を掲載していただいた。この煉瓦造りの壮大な建築は1918年、北浜の株仲買人岩本栄之助の寄付によって建てられた。設計競技で選ばれた岡田信一郎の案をもとに、辰野金吾と片岡安が実施設計したもの。西洋のネオ・ルネッサンスの様式に従っているが、わが国の煉瓦建築の一つの到達点ともいわれる建築物。それゆえか、何度見てもいいなあと思うし、何度描いても描く対象としての魅力は尽きない。 
2012/1/23記       

近畿地区信用金庫協会発行
 季刊誌「いこい」2011年冬号
 表紙に掲載
    

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れんが建築紀行
01 02 03

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Kodera-tei Kyusha
(Barn,Garage)、Kobe

旧小寺邸厩舎 
神戸相楽園




2007年  
水彩  
120X165mm
Panasonicの2014年卓上カレンダー「松下幸之助の言葉-希望」の10月は”順境は尊い 逆境もまた尊い」という言葉。順境に自惚れず、逆境に卑屈にならず、それぞれに与えられた尊い人生を素直に、謙虚に、懸命に生きてゆきたいと…。合わせたスケッチは小寺邸厩舎。スケッチに描いた旧小寺邸厩舎が残る神戸の相楽園は、明治維新の混乱で困窮する三田藩を建て直すため、藩主らと神戸で事業を興し、実業家として成功した藩士小寺泰次郎が築いたもの。
建物は、1910年頃、海岸ビルなどを手がけたことでも知られる河合浩蔵の設計で、彼が建築を学んだドイツの民家の雰囲気を採り入れている。国の重要文化財。
2015/05/08記
■パナソニック2014年卓上カレンダー
 「松下幸之助の言葉-希望」10月に
 掲載


同志社 礼拝堂 

水彩    
1999年   
160x240o  

パナソニックの2014年卓上カレンダー「松下幸之助の言葉-希望」の8月は「道は無限にある」
合わせた絵は同志社の礼拝堂。同志社設立のため夫の新島襄をたすけた八重は、会津戦争で敗戦後、京都にあって草創期の女子教育の学校で教鞭をとり、襄の死後は、茶道の教授として自活し、赤十字の看護婦として看護婦の地位向上につとめ、日露戦争時には従軍までしている。苦難にあって負けず、自立し、新しい時代の女性として活躍した。
2015/02/19記
■パナソニック2014年卓上カレンダー「松下幸之助の言葉-希望」8月に掲載
同志社礼拝堂   


2014年    
水彩     
280x380o





5月の朝日カルチャーYY街旅スケッチ講座は同志社のチャペルを描いた。以前、冬に枯れ枝の景色をYY絵はがきスケッチ講座のみなさんと描いたが、今回は新緑の景色だ。チャペルはD.C.グリーン設計、1886年竣工の重要文化財。つつましさの中に厳格な雰囲気も漂わせている。同志社の今出川キャンパスには重文に指定された煉瓦造りの近代建築が5棟もあり、事前に申請すれば、構内でスケッチもさせてもらえる、貴重な場所。
2014/12/01記  

聖母女学院 
京都伏見深草      
             
2013年  
水彩  
280x380mm
 


カルチャーハウス香里ヶ丘のYYスケッチ講座月曜クラスの12月の講座は、京都伏見区深草の聖母女学院の校舎を描いた。
明治の末に、旧陸軍第16師団司令部本庁舎として建てられた煉瓦建築。だから、戦時中は空襲を怖れて建物全体を真っ黒に塗っていたと聞いたことがある。もともと聖母女学院は大正時代に、フランスから渡ってきた7人の修道女によって、大阪の玉造で開学した。昭和になって大阪寝屋川に移転し、戦後、この建物の払い下げをうけて、現在はここを本部としている。寝屋川の香里園に建てられたアントニン・レーモンドの校舎は文化財に登録された優しい印象の名建築だが、こちらは見るからにいかめしい。玄関前のマリア像がその印象を和ませてくれる。小学1、2年生だろうか、下校の児童がクラスごとに並んでやってきて、マリア像に、 「マリアさま、さようなら」と、大きな声であいさつして帰るのが、なんとも微笑ましい。
 
2014/07/02記
                      
サンフランシスコ 
セントパトリック教会
       

水彩  
2007年 
120 x 157 o 


日立造船の2012年カレンダー「つどいの風景」の3月-4月のページは、アメリカサンフランシスコの街角のスケッチが掲載されているが、同じ時、サンフランシスコで描いたセントパトリック教会。ここはサンフランシスコモダンアート美術館のすぐ近く、ヤーバ・ブエナ・ガーデンという芝生の公園がある。昼下がり、芝生の上でひなたぼっこしている人や、本を読んでいる人、車座になっておしゃべりしているグループなど、思い思いにゆったりとした時間を過ごしている。こちらも、街の中を歩き疲れたので、靴も靴下も脱いで芝生の上に腰をおろした。裸足に芝生が気持ちいい。そのまま芝生にすわりこんでこの絵を描いた。
2012/3/9記                                                            
                                    
大阪市中央公会堂
中之島
  
       



2011年  
165x210mm


今ごろになったが、9月の朝日カルチャーセンター「安田泰幸絵はがきスケッチ講座」は大阪中之島の中央公会堂で。残暑が厳しく、東洋陶磁器博物館の前の木陰に入って描き始めたが、陽が傾くにつれ、木の影がなくなって暑くなってきた。光も逆光になってきたがまわり全体が明るく光がまわっているので、なんとか描けた。受講されているみなさんの間を巡りながら、小さな紙にスケッチ。色は後でつけた。講評会は淀屋橋の「M.J.B」で。 
2011/12/22記

                    
雪の
舞鶴煉瓦倉庫群   

 
   
2010年  
水彩    
165x240 o     

近畿信用金庫協会の季刊広報誌「いこい」の2012年冬号の表紙は。舞鶴市北吸の煉瓦倉庫群を描いたスケッチ。12棟の倉庫は明治から大正にかけて旧鎮守府(のち海軍)の施設として建てられたもので、国の重要文化財。そのうち2棟は赤れんが博物館と舞鶴市政記念館になっている。ずっと以前、スケッチ展を開いてくださったり。著書「れんが・街ものがたり」を書くときに、いろいろ教えていただいたりと、お世話になっている。

YASUDA YASUYUKI

水彩画スケッチ紀行

同志社礼拝堂 
京都
        


水彩    
2011年 
280 x 380 o 


昨年12月の朝日カルチャーセンター梅田教室の「安田泰幸絵ハガキスケッチ講座」は、京都の同志社大学今出川キャンパスで、重要文化財の礼拝堂を描いた。葉が落ちた木々の梢の間から見える煉瓦建築が美しい。いつもは鉛筆と水彩絵具で表現してもらうのだが、この日は竹ペンで描いてもらうことに。線が太くなったり、細くなったり、かすれたり、ゆがんだりで思うようにならないので、思い切って大胆に表現してもらうのがねらい。不自由を楽しんでもらった。いややっぱり苦しんだかな。この講座は春からはじまって、まだ1年たたないが、受講していただいている方どうし仲が良く、みなさんの発案で、クリスマス会(忘年会)をしようということになり、今日がその日。墨汁を使うので汚れてもよい服装というけど、レストランにいくのでおしゃれもせなあかんのに。と、女性軍から叱られた。講座終了後、四条烏丸のトラットリアへ。 
2012/2/20記
                                                
旧和田山機関庫
兵庫和田山         
2014年     
水彩    
120x1650mm  
          
関西経済連合会発行「経済人」4月号表紙 スケッチ紀行は兵庫県の和田山を歩いて描いたスケッチ。
R山陰本線の和田山駅はJR播但線の終点でもある。和田山は昔から、京都と姫路、山陰を結ぶ交通の要衝であった。線路を取り払われた駅の敷地に、明治の末に建てられた煉瓦造りの機関庫がぽつんと取り残されている。取り壊されると聞いてからもう数年経つ。屋根は落ち、構内には雑草が茂っていた。  
2014/06/09記           


関西経済連合会発行広報誌
 「経済人」2014年4月号表紙に掲載

安田泰幸アート&スケッチ

れんが建築紀行                                                  02

St Agnes' Episcopal Church, Karasuma-shimotachiuri, Kyoto pr.








聖アグネス教会 
京都烏丸下立売 


2014年  
水彩  
280x380mm 
11月の朝日カルチャーセンターYY街旅スケッチ講座は、京都烏丸通り、御所の西にある旧有栖川宮邸の壁に沿って聖アグネス教会をスケッチ。1898年に平安平安女学院のチャペル、聖三一大聖堂として、ジェームス・ガーディナーの設計で完成した。
ジェームス・ガーディナーは立教の初代校長でもある。
2015/07/20記

赤れんが郷土館      

水彩スケッチ  
2012年  
165 x 240 o


日立造船2013年カレンダー「ふるさとの息吹-東北のこころ」の3-4月は秋田県の風景スケッチ。赤れんが郷土館は秋田市内にあり、もとは旧秋田銀行の本店。1912年に竣工した。国の重要文化財。郷土秋田の自然や風俗を描き続けた木版画家の勝平得之記念館や、伝統工芸の銀線細工を極めた名工関谷四郎記念室など、ふるさとの文化を築いてきた名人を顕彰する展示がある。  
2013/03/12記                

■著書「れんが・街ものがたり」に
 所収

                                     
神戸栄光教会          

2014年     
インク+水彩    
280x380mm 
                   




神戸新聞文化センターのYY街角スケッチ講座の1月は、神戸栄光教会。
北野の異人館と並び、神戸で風景スケッチする人のメッカ。寒い日だったが、晴れていて、メンバーのみなさん元気に出席。熱心に描いておられた。講評会は県庁のカフェで。
 
2014/04/24記
旧古河鉱業
若松ビル 
北九州若松   
     


水彩  
2012年  
120X165 mm

財団法人全国建設研修センター発行の広報誌「国づくりと研修」は、財団が50周年を迎えるにあたり、創立50周年特別号としてこのほど発行された。今回の表紙には同じく開通50周年を迎えた若戸大橋を描く。若戸大橋は洞海湾をまたぎ、若松と戸畑を結ぶ。若松は洞海湾に面したバンドで、大正から昭和にかけ、日本一の石炭積み出し港として栄え、火野葦平の「花と竜」の沖仲士玉井組組長玉井金五郎が活躍したところ。当時の波止場やごんぞう小屋が残され、職を求めて全国から集まった人々が懸命に生きた時代の気分が伝わってくるようだ。  
201/12/21記    

■財団法人全国建設研修センター
 広報誌「国づくりと研修」2012年
 創立50周年特別号裏表紙に掲載     
神戸 栄町通 
旧第一銀行
神戸支店
       

水彩  
2012年 
142 x 192 o 


1月の街・旅・絵日記講座は神戸の乙仲通と栄町通のあたりを歩きスケッチした。以前「経済人」2月号をここで紹介したが、同じ乙仲通と栄町通であった。「経済人」の入稿のほうが早かったので、絵日記講座でスケッチした作品は使えなかった。この建物は地下鉄海岸線のみなと元町駅の出入口になっている。1908年に第一銀行神戸支店として建てられた煉瓦建築で、のちに大林組神戸支店になり、やがて阪神大震災で被災。屋根が落ち、建物の壁の大半も崩れた。その後残った壁を補強し、海岸線の開業にあわせ、駅の出入口に利用されることになった。講座のためにタッチを変え、チャコール鉛筆を使って描いてみた。 
2012/3/22記
         
神戸栄町通 
地下鉄みなと元町駅
出入口
       
 
水彩    
2011年 
120 x 165 o 



関西経済連合会発行の「経済人」2012年2月号-スケッチ紀行・歴史を歩く-は神戸栄町通・乙仲通をとりあげた。このあたりは旧外国人居留地に隣接し、貿易会社や銀行が軒を連ね、大神戸と呼ばれた頃の、神戸のビジネス街であった。大正時代、一時日本のGNPの1割を売上げ、三井・三菱をしのいだ商社鈴木商店もこの近くにあった。この栄町通の中ほどに煉瓦の建物がある。1908年、東京駅や日本銀行本店の設計で知られる辰野金吾の設計で、第一銀行の神戸支店として建てられた。のちに大林組の神戸支店になり、阪神大震災で被災。残った外壁だけを補強し、地下鉄海岸線のみなと元町駅の地上の出入口として利用、保存されている。かつて日本が、産業や経済で、世界に追いつこうと懸命になっていた頃を見つめてきた建物である。


関西経済連合会発行「経済人」2012年2月号表紙に掲載